
今まで、合併症が心配された腫瘍の手術や、出血が心配される病変の手術が「切らずに・痛みなく・短時間で」治療できるようになりました。
ガンマナイフとは、頭を開けることなく、外から放射線を一点に集中して照射することで、頭の中の病変を治療する方法です。
このガンマナイフの研究開発の歴史は古く、1950年頃よりスウェーデンではじめられ、1968年カロリンスカ研究所のレクセル教授により、コバルト60を線源として脳血管奇形や脳腫瘍を治療するガンマユニットが実用化されました。1991年には日本にも導入され,現在55台のガンマナイフが日本国内で稼働しています。
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ガンマナイフ本体 |
頭をヘルメットに固定 |
患者さまの頭部が動かないように、金属製のヘルメット内にフレームで固定します。ガンマナイフ本体には192個のコバルト線源が封入されており、それから発する192本の放射線(ガンマ線)が、ヘルメットに向かうビームを通して、1点に集まるように設計されています。
1本の放射線ビームは弱いので、頭を貫通するとき、頭皮、骨、脳、血管などの正常組織を障害しません。焦点で201本のビームが交わり、非常に高い放射線効果が、ごく小さな範囲に集められます。虫めがねで太陽の光を集めて黒い紙を焼くのに似ています。
治療中は痛くも何ともありません。声が治療室の外に聞こえるようになっているので安心です。分割照射で行う一般的な放射線治療に比べ、1回の照射で終わり、後遺症の心配も非常に少ないのがメリットです。
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頭部の病変を治療 |
ガンマナイフの構造 |